第四日目 6月20日 曇り時々小雨後晴れ

西安は冬が寒く6月10月が一番旅行には良いと云われていたが、どうも今回は晴天が少なく日本の梅雨時のような毎日であった。午後の便で帰国なので、もう一度、車で市内をぐるりと回り、最後に「興慶公園」を訪れた。



ここは城壁の南東隅の堀外にある。「興慶宮」は唐の6代玄宗皇帝が政務を摂った宮殿である。勿論、唐代末期には戦火で消失はしてしまったが、今また復元されている。楊貴妃も一緒に住んだ宮殿の跡地を公園として整備し、一般庶民に開放されている。朝から近くの人々が三々五々集まり太極拳などをやっている、中国何処の広場でも見られる光景である。

我々に馴染みの安部仲麻呂は遣唐使として長安に赴き、玄宗皇帝に仕え重用され、一度は帰国の途に就いたが船が難破して果せず、再び唐朝廷に仕え中国で一生を終ったが、その活躍の場がこの場所と云うことで、公園内に仲麻呂の大きな記念碑が立てられている。
なにぶんにも「天の原 ふりさけみれば春日なる 三笠の山に 出し月かも」の望郷の歌と、
教科書だけでお目に掛かる人物の残像が1200年も経た今ここ西安ではほんの少し前の事の様に出てくるから不思議な気分になる。

矢張り西安は間違い無く歴史の街である。



興慶公園に別れを告げ、北側の城壁に沿って空港へと車を走らせた。

再見!西安!空港到着時は快晴となり、一路蒸し暑い日本に向けてANAで帰路についた。

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